僕の知ることのできない場所へ
東京メトロの運賃表をいろいろ眺めていましたが、なにせ路線が山のようにあるので、運賃計算経路が迷走するケースが時々見受けられます。なお、以下の文書を読む場合には東京メトロの路線図(できれば運賃表)を用意することをおすすめいたします(メトロのサイトにもあります)。
例1
日比谷線の東銀座〜広尾を見ると、キロ数が6.5kmとなっていますので、運賃は190円になりそうに思えます*1。しかし、運賃表では160円になっています。
これは特例でもなんでもなくて、銀座〜霞ケ関は日比谷線経由が1.6kmなのに対し、丸ノ内線なら1.0kmしかないので、こちらを経由すると全体で5.9kmになり、160円の切符が発行されます。このような複雑な経路に実用として乗る人は誰もいませんが、メトロの営業規則では同じ駅を複数回通らない限りどんなルートをとってもいい*2ので、堂々と日比谷線で進むことができます。
このように、複数線の並行区間で距離が違うケースとしては、
などがあります(銀座〜上野のような長距離区間は省略してあります)。
例2
今度は表参道〜大手町です。半蔵門線で行くと7.4km、千代田線では6.6kmです。銀座線と丸ノ内線を銀座で乗り換えると7.6km、赤坂見附乗り継ぎでも7.0kmあります。ところが、これまた160円で済んでしまいます。いったいどうなっているのでしょうか。
運賃計算ルートを算出してみると、表参道〜(Z)〜永田町〜(Y)有楽町/日比谷〜(C)〜大手町(合計キロ数:6.0km)となっていました*3。永田町・赤坂見附〜大手町では半蔵門線が4.7km、丸ノ内線が4.3kmなのに対して有楽町乗り継ぎだと3.3kmしかありません。かなり意外なコースでした。
例3
千代田線の二重橋前〜西日暮里では、距離が6.3kmですが運賃は160円になっています。北千住回りかと思ってみてみましたが、西日暮里〜北千住〜南千住であっさり6kmを突破しています。
このコースでは千代田線を行く以外なさそうに見えますが、思わぬ伏兵が潜んでいました。千代田線の大手町〜新御茶ノ水が1.3kmなのに対して丸ノ内線の大手町〜淡路町が0.9km、しかも淡路町と新御茶ノ水は乗り換えられます。そこで、こっちを通れば全体で5.9kmに収まり、無事160円の運賃となります。
昔は御茶ノ水〜新御茶ノ水の対応で乗り換えられたそうですから、当時はこの関係が逆転していた(大手町〜御茶ノ水が1.7km)ということになります。
最後に
路線ごとに起点から終点まで最短ルートを算出してみたところ、東西線以外はほかの路線を経由したほうが短い、という結論に達しました*4。
- 日比谷線
- 中目黒〜(H)〜霞ケ関〜(M)〜銀座〜(G)〜上野/上野〜(H)〜北千住、18.2km
- 銀座線
- 渋谷〜(G)〜赤坂見附・永田町*5〜(Y)〜有楽町/日比谷〜(C)〜大手町〜(Z)〜三越前/三越前〜(G)〜浅草、13.1km
- 丸ノ内線
- 荻窪〜(M)〜四ツ谷〜(N)〜飯田橋*6〜(Y)〜池袋、17.5km
- 東西線
- 中野〜(T)〜西船橋、30.8km
- 南北線
- 目黒〜(N)〜永田町〜(Y)〜飯田橋*7〜(N)〜赤羽岩淵、20.8km
- 有楽町線
- 和光市〜(Y)〜飯田橋/飯田橋〜(T)〜大手町〜(C)〜日比谷/有楽町〜(Y)〜新木場、27.6km
- 千代田線
- 代々木上原〜(C)〜表参道〜(Z)〜永田町*8〜(Y)〜有楽町/日比谷〜(C)〜大手町〜(Z)〜三越前/三越前〜(G)〜上野/上野〜(H)〜北千住〜(C)〜北綾瀬、22.6km
- 半蔵門線
- 渋谷〜(Z)〜永田町*9〜(Y)〜有楽町/日比谷〜(C)〜大手町〜(Z)〜押上、15.3km